根管治療と抜歯

親知らずの抜歯抜く場合・抜かない場合と受診先の考え方

親知らずの抜歯|抜く場合・抜かない場合と受診先の考え方

親知らずは必ず抜くものではありません。日本口腔外科学会の情報をもとに、抜歯を検討する場合、抜かなくてよい場合、受診前の確認事項、持病や薬がある人の注意点を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。当サイトについて

この記事は一般的な情報の整理です。個別の診断や治療の推奨ではありません。痛み・腫れ・出血などの症状があるときは、歯科医療機関を受診してください。

親知らずの抜歯とは

親知らず(智歯)は、前から数えて8番目の歯(第三大臼歯)で、一般に18〜20歳ごろに最後に生えてくる歯です。日本口腔外科学会は、生えるスペースが残されていないため、埋まったままだったり、横向きに生えたりすることが多く、完全な形で生える人はまれだと説明しています。

親知らずは、すべて抜く必要があるわけではありません。症状や周囲への影響によって、抜歯を勧められるかどうかが決まります。この記事では、判断の考え方を整理します。個別の診断は、歯科医師・口腔外科医が行います。

基本(抜歯を検討する場合・しない場合)

日本口腔外科学会は、抜歯を検討する例として、次のようなものを挙げています。

状況 抜歯を検討する理由
智歯周囲炎(親知らずの周りが腫れて炎症を起こす) 繰り返す炎症を避けるため
半分だけ頭を出していて、十分に磨けない むし歯や歯周病の原因になるため
手前の歯を押して歯並びに影響している 歯列への影響を考えるため
手前の歯がむし歯になる、根が溶けるなどの影響 隣の歯を守るため
口臭の原因になっている 清掃が難しいため
噛み合わせが悪くなり、顎に負担がかかる 顎関節への影響を考えるため

一方、正常に生えて機能している場合や、奥歯がなくなっていて、親知らずをブリッジの土台などに使える場合は、抜歯の必要がないとされています。

具体例(判断のイメージ)

ケース 一般的な考え方
真っすぐ生え、きちんと磨けて、噛み合っている 経過観察することが多い
斜めに生え、手前の歯との間にむし歯がある 抜歯を含めて検討することが多い
完全に骨の中に埋まっていて、症状がない 経過観察とし、定期的に画像で確認することがある
腫れと痛みを繰り返している 炎症が落ち着いてから抜歯を検討することが多い

親知らずと下顎の神経との位置関係など、抜歯の難しさは、レントゲンやCTで評価されます。難しいと判断された場合は、口腔外科への紹介を受けることがあります。

親知らずの抜歯の実践ステップ

  1. 痛み、腫れ、噛み合わせの違和感があれば、歯科医院を受診して、レントゲンで状態を確認します。
  2. 「抜く・抜かない」の理由と、抜かない場合のリスク、抜く場合のリスクを両方聞きます。
  3. 持病、服薬(特に血液をさらさらにする薬など)を、事前に正確に伝えます。
  4. 抜歯が難しいと言われたら、口腔外科の専門医への紹介を相談します。
  5. 抜歯の日は、体調を整え、十分な睡眠をとって臨みます。

親知らずの抜歯の注意点

  • 日本口腔外科学会は、抜歯を「立派な手術の一つ」と位置づけ、心臓病、高血圧、肝臓病、糖尿病、血液疾患などがある人は特に注意が必要としています。
  • 心臓や脳血管の病気で、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合は、内科の主治医と相談してから抜歯を行うべきとされています。自己判断で薬をやめないでください。
  • 抜歯の前後に、腫れ、痛み、出血などが起きることがあります。説明を受けた注意書きに従い、異常があれば早めに連絡します。
  • 高齢の方や持病がある方は、口腔外科医と十分に相談することが勧められています。

親知らずの抜歯でよくあるミス

  • 症状がないので、定期的な確認をしない。
  • 薬や持病を伝えずに抜歯を受ける。
  • 痛みが引いたからと、炎症を繰り返す状態を放置する。

親知らずの抜歯のチェックリスト

  • 親知らずの向き・位置を、レントゲンで確認したか。
  • 抜く場合・抜かない場合のそれぞれの理由を聞いたか。
  • 持病・服薬を伝えたか。
  • 抜歯後の注意書きを受け取ったか。

親知らずの抜歯のFAQ(よくある質問)

Q. 親知らずは、生えていたら抜くべきですか。
A. いいえ。正常に生えて機能し、清掃もできている場合は、抜歯が不要なことがあります。状態によって判断が変わります。

Q. 抜歯は何科で受けますか。
A. 一般の歯科医院で行うことが多く、難しい場合は口腔外科が対応します。判断は歯科医師に相談してください。

Q. 妊娠中でも抜歯できますか。
A. 状況により異なります。妊娠中は、必要な治療を安定した時期に行う考え方があります。産婦人科と歯科の双方で相談してください。

抜歯の前後で意識しておきたいこと

日本口腔外科学会は、抜歯の前日は十分な睡眠をとり、体調を整えて臨むこと、抜歯後はパンフレットなどの注意事項に従い、異常があれば早めに医師へ相談することを案内しています。時期ごとの整理です。

時期 意識したいこと
抜歯前 持病・服薬の申告、体調管理、仕事や予定の調整
抜歯当日 注意書きの受け取り、麻酔が切れるまでの食事の注意の確認
抜歯後 出血・腫れ・痛みの経過の観察、うがいや運動の指示の確認
数日後 経過の診察、抜糸(糸を使った場合)の予定の確認

痛み止めや抗菌薬が処方されたときは、飲み方を確認します。強い痛みや出血が続くとき、発熱があるときは、遠慮せず歯科医院に連絡してください。

筆者の見解(親知らずの抜歯)

私は、親知らずの相談で一番大切なのは、「抜く・抜かない」の結論そのものより、判断の理由を納得して選ぶことだと考えます。抜いたほうがよい場合もあれば、様子を見るほうがよい場合もあります。リスクの説明を聞いたうえで、自分の生活(仕事、結婚・妊娠の予定、持病)を踏まえて決めることが、後悔を減らすのではないでしょうか。一般的な情報であり、診断や治療の推奨ではありません。

親知らずの抜歯の関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の推奨や、医療・税務上の助言ではありません。症状がある場合は歯科医療機関を受診してください。制度や基準は改定されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・国税庁などの公式サイトでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。