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歯科医療費は4〜5月に前年比2.4%増、受診日数は1.0%減

歯科医療費は4〜5月に前年比2.4%増、受診日数は1.0%減

厚生労働省が令和8年度4〜5月の歯科医療費の動向を公表。医療費は2.4%増、受診延日数は1.0%減でした。制度別・傷病別の内訳と、患者が確認したい点を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。当サイトについて

この記事は一般的な情報の整理です。個別の診断や治療の推奨ではありません。痛み・腫れ・出血などの症状があるときは、歯科医療機関を受診してください。

厚生労働省は2026年9月30日、「最近の歯科医療費(電算処理分)の動向」の令和8年度4〜5月号を公表しました。2026年4〜5月の歯科医療費は、前年の同じ時期より2.4%増えています。一方で、歯科を受診した延べ日数は1.0%減りました。歯科医療費が、受診の日数ではなく、1日当たりの医療費の上昇によって増えていることが分かります。歯科の費用や受診の傾向を知りたい患者さん・ご家族向けに、公表された数字を整理します。

ニュースの概要

この資料は、厚生労働省保険局調査課が、毎月、歯科医療費の動向を早く把握するために、電算処理されたレセプト(診療報酬明細書)を集計して公表しているものです。電算処理分に限った集計で、すべてのレセプトの数字ではない点に注意が必要です。

令和8年度4〜5月号の主な結果は、次のとおりです。

  • 歯科医療費(入院・入院外の合計、電算処理分)の伸び率は前年同月比で+2.4%。4〜5月の合計は5,849億円
  • 受診延日数の伸び率は−1.0%
  • 1日当たり医療費の伸び率は+3.5%

内訳を見ると

制度別

被用者保険は+4.0%、国民健康保険は−2.0%、後期高齢者医療制度は+2.9%、公費は+1.1%でした。

医療機関の種類別

歯科病院は−0.0%、歯科診療所は+2.6%でした。

都道府県別

伸び率が最も大きかったのは沖縄県の+3.9%、最も小さかったのは福島県の−0.5%でした。

年齢階級別(5歳階級)

最も大きかったのは100歳以上の+14.2%、最も小さかったのは80歳以上85歳未満の−5.8%でした。

歯科の傷病別(前年度の医療費の割合が高かったもの)

  • 歯周炎等: +3.2%
  • 歯肉炎: +3.9%
  • う蝕(むし歯): +0.0%
  • 補綴関係(歯の補綴): −3.0%
  • 根尖性歯周炎(歯根膜炎)等: −1.5%

診療内容別

  • 歯冠修復及び欠損補綴: +0.4%
  • 処置: +4.1%
  • 医学管理: +5.4%
  • 検査・病理診断: +5.6%
  • 初診: −1.8%

歯科用貴金属では、歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上、JIS適合品)の医療費が+12.5%でした。

読者への影響

この統計は、国全体の医療費の傾向を示すもので、個人の治療費が上がった、下がったということを直接示すものではありません。ただ、歯周炎や歯肉炎、医学管理、検査といった項目が増えている一方で、補綴や初診が減っている点は、歯科の受診の中身が、治療中心から、管理・予防的な内容へ動いている可能性を考えさせる数字です。ただし、この資料の数字だけで、その理由を断定することはできません。

また、制度によって伸び率に差があるのは、加入者の年齢構成や、受診の動向が違うためと考えられますが、資料は原因まで説明していません。ご自身の医療費への影響を知りたい場合は、加入している健康保険の窓口や、歯科医院での説明が確実です。

確認すること

  1. 厚生労働省のホームページ(歯科医療費の動向)で、PDFとExcelの原文を確認する。
  2. 通っている歯科医院で、治療や管理の費用の内訳(保険の適用か、自費か)を、事前に説明してもらう。
  3. 医療費控除の対象になる費用は、領収書を保管し、国税庁の案内で確認する。
  4. 定期的な検診やメインテナンスの受診頻度は、歯科医師と相談して決める。
  5. 次回以降の月次の動向が公表されたら、増減の傾向が続くかを見る。

用語の補足

資料に出てくる言葉を、あらためて整理します。

  • 電算処理分: 医療機関がコンピュータで請求したレセプト(診療報酬明細書)を集計したもの。すべての請求ではない
  • 伸び率: 対前年同月比。前の年の同じ月と比べた増減の割合
  • 受診延日数: 患者が歯科を受診した日数を、合計した数字
  • 1日当たり医療費: 医療費を、受診延日数で割った金額

医療費は、受診延日数と1日当たり医療費に分けて考えられます。今回は、受診延日数が1.0%減った一方、1日当たり医療費が3.5%増えたため、全体では2.4%の増加になりました。

なお、4〜5月の2か月分の数字で、1年間の傾向を示すものではありません。月ごとの変動もあるため、今後の月次の公表で、傾向が続くかどうかを見る必要があります。

筆者の見解

私見では、今回の数字で注目したいのは、受診の日数が減っているのに、1日当たりの医療費が3.5%増えている点だと考えます。1日当たりの診療の内容が変わっている、あるいは、費用の水準が動いていることを示唆しています。ただし、その理由は、資料からは読み取れません。

患者として大切なのは、こうした統計に一喜一憂するより、自分の口の状態に合った受診の頻度を、歯科医師と一緒に決めることだと思います。むし歯や歯周病は、早く見つけるほど、治療の負担を小さくできます。費用や治療内容に疑問があるときは、遠慮せずに説明を求めてください。

出典(一次情報)

2026年10月10日時点の情報です。

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の推奨や、医療・税務上の助言ではありません。症状がある場合は歯科医療機関を受診してください。制度や基準は改定されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・国税庁などの公式サイトでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。